獅子と御神輿

 獅子もお神輿(みこし)も祭りの子供たちにはなくてはならないものといえます。
 神明宮大祭では5月のはじめ、町内に子供連の会所(獅子やお神輿が置かれる小屋)が開かれます。
 子供たちにとって、この日からもうお祭りが始まっているのです。
 昭和30年代ごろまでは、中学生も子供連に入っていたので、人数も多く、 獅子頭をかぶれるのはたいがい一番年長の者と決まっていて、小さい者たちは後をついて行くだけでした。
 また、当時は他町の獅子とのけんかもしばしばあって、鼻が欠けたり、耳が片方取れたりで、 まともに原型をとどめている獅子頭は少なかったものです。
 今では子供も少なくなり、小学生が主体で、女の子も入るようになったので、けんかもなくなりました。
 それでも獅子頭を持つリーダーになれなくて不満そうな子、小さい手で一生懸命に鐘を鳴らしたり、 大うちわをあおぐ子、獅子がこわくてべそをかきながらもみんなの後をついてゆく子など、 獅子を中心とした子供たちの姿は、新しい友達ができたり、町の人々と触れ合う中で、 町内の一員として認められていくといった社会体験のひとつといってよいでしょう。
 氏子の中にはお神輿を持っている町内もいくつかあります。これもその多くは子供連によってかついで回られます。
 その昔は、やはり青年が中心になってかついでいましたが、お囃子同様、子供に主役が移ってしまいました。
 平成5年、ひさしぶりに元能見北町によって、大人の樽みこしが復活しました。